OGTT(糖負荷検査)外来

食生活の欧米化とともに我が国の糖尿病患者は急速に増加しています。糖尿病は血糖を下げるインスリンというホルモンの分泌が減ったり、働きが悪くなったりして、血糖の高い状態が続く病気です。そして高血糖が持続すると、網膜・腎臓の小さな血管や全身の動脈硬化が起こり、失明・腎透析・末梢神経障害などつらい合併症が発生します。従って、このような大きな健康被害を起こす前に糖尿病を発見し、合併症を予防して行くことが最も重要です。しかしこれら糖尿病や糖尿病合併症は初期は明らかな症状がないために見逃されることもめずらしくありません。
糖尿病の診断は空腹時血糖やHbA1cという血液検査でされることが多いですが、糖尿病の前段階には、空腹時血糖は正常でも、食後の血糖が高い時期があります。また糖尿病とはいえない程度に空腹時血糖が上昇している時期があります。このような糖尿病の前段階(境界型)から既に動脈硬化は始まり、心筋梗塞や脳梗塞などの危険性が高まっていると言われています。この時期から食事や運動などに気を付け、必要に応じて薬物治療を受けられると、糖尿病に進行するのを抑えることができ、動脈硬化もすすまないようにできます。
この糖尿病の前段階も発見することができるのが、経口糖負荷試験(OGTT:oral glucose tolerance test)です。

OGTTをお勧めしたい方は次のような方々です
・血縁者に糖尿病の方がいる ・HbA1c 5.2%以上
・尿糖の陽性を指摘された ・高血圧や高脂血症の方
・空腹時血糖 100mg/dl以上 ・特定健診(メタボ健診)で1項目でも該当した方

これらに特に該当しない方でも御希望の方は御相談ください。

検査方法

1. 10~16時間程度の絶食で行います。(前日の22時以降は絶食です。水だけなら飲水可能です。)

2. 採血にて空腹時の血糖やインスリンなどを測定します。

3. ブドウ糖75gを溶かした水を飲みます。

4. 飲んだ後、30分後、60分後、90分後、120分後に採血をして、血糖とインスリンを測定します。

結果判定

空腹時血糖値および75g糖負荷試験(OGTT)2時間値の判定基準

正常域
糖尿病域
空腹時血糖値
75g OGTT 2時間値
<110
<140

≧126
≧200
75g OGTTの判定
両者を満たすものを正常型
いずれかを満たすものを糖尿病型
正常型にも糖尿病型にも属さないものを境界型とする

随時血糖値≧200mg/dLの場合も糖尿病型とみなす。
正常型であっても、1時間値が180mg/dL以上の場合は、180mg/dL未満のものに比べて糖尿病に悪化する危険が高いので、境界型に準じた取り扱い(経過観察など)が必要である。

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