研修医募集TOPページ 研修医の声 Vol.5 初期臨床研修医 岡本医師

研修医の声 Vol.5 初期臨床研修医 岡本医師

Vol.6 初期臨床研修医 金山医師

 

 

Vol.5 初期臨床研修医 岡本医師

 

Vol.4 初期臨床研修医 金山医師

 

 

Vol.3 初期臨床研修医 岡本医師

 

Vol.2 初期臨床研修医 金山医師

 

 

Vol.1 初期臨床研修医 岡本医師

 

当院の初期臨床研修について

 こんにちは、高砂市民病院初期臨床研修医の岡本です。時が流れるのは早いもので、私の初期臨床研修2年間も終わりを告げようとしています。今回は、私が高砂市民病院で過ごした2年間を簡単に(2年目を中心に)振り返りながら、これから研修病院を選択される先生方、特に内科を志望される先生方にアピールできるような当院の魅力や特色と、その反対に当院の初期研修ではやや物足りなかった点、もう少し経験を積みたかった領域等も例示して、最後の寄稿にさせて頂こうと思います。

 まず内科研修についてですが、当院の内科は臓器毎に細分化されておらず、研修医は内科研修期間を通して入院される患者様を(血液悪性疾患や特殊な代謝内分泌疾患などを除き)全領域に渡って診療することになります。言い換えれば、多臓器に渡って異常を抱えてらっしゃる患者様の問題点を自分自身で一つずつ丁寧にアセスメントしながら、それらの解決に向けた診療を行なっているということです。無論、研修開始当初はこのような当院における実臨床場面に学生レベルの知識では太刀打ちすることができず、様々な問題が一挙に降りかかって来た際に思考停止してしまうこともありました。しかし、そんな時には後期研修医の先輩医師、指導医の先生方がアドバイスを下さったり、時には副院長先生、院長先生にも助言を頂いて診療に取り組みました。しっかりとしたサポートを頂くことができる環境で、尚且つ自分で考え実践する機会を多分に与えて下さる所は当院の研修における大きな魅力の一つです。

 ここまでお話すると当院での内科研修は非常に大変に思えるかもしれませんが、私個人的には数ヶ月単位でせわしなく各診療科をローテートするよりも、当院のように大枠で括られた「内科」にじっくり腰を据えて、他分野を同時並行的に研修する方が内科医としての地力を培うことが出来ると感じました。受け持ち患者数も研修医ごとの能力に合わせて割り当てを考えて下さるので、日々の勤務に忙殺されることなく机上で学習する時間を確保することが十分に可能です。

 ここからは具体例を挙げますが、急性期疾患では呼吸器・尿路感染症、心血管障害、脳血管障害など、慢性期疾患では心不全、腎不全、糖尿病管理を筆頭に、その他悪性腫瘍なども含め、Common disease診療の基礎基本を学べます。時に学術的に興味深い症例を経験することもあり、著明な脱水症から意識障害・腎前性腎不全と電解質異常(血清Na異常高値など)を来した症例や、犬咬傷後に劇烈な敗血症(Capnocytophaga canimorsus敗血症)を来した症例など、学会発表する機会も十分にありますよ。ちなみに、これら2症例とも後遺症を残すことなく軽快・退院されることが出来ました。

 次に私が研修2年目に自由選択した放射線科と救命救急センターでの研修についてです。2年目のカリキュラムは12ヶ月を自由に選択ローテート可能で、私はその半分に当たる6ヶ月を内科、残る6ヶ月のうち3ヶ月を放射線科、2ヶ月を救急救命センター(他院)、1ヶ月を地域医療(他院)の選択としました。放射線科研修はCT及びMRIの読影を中心に行います。1日の終わりに、指導医の先生に研修医が読影した所見をリファレンスして頂き、間違っている所見の訂正や指摘できなかった所見を指導頂きつつ、時に自らの考えと先生の読影所見の乖離について討論を行います。私は画像診断にあまり自信がありませんでしたが、この密な研修によってCTとMRIの読影力を徹底して鍛えることができました。また、当院の放射線科は血管造影検査や経皮的血管形成術なども行なっており、血管穿刺やカテーテルの扱いを学ぶことができます。これらは内科医にとって無縁なものではなく、動脈ライン確保や中心静脈カテーテル確保の際に生きてくる手技ですから、それらを丁寧に繰り返し指導頂けるのは本当に有難い時間でした。

 救命救急センターでの研修は3次救急医療機関である他施設で行われます。高エネルギー外傷から、軽微な外傷の縫合をはじめとした創処置、胸腔ドレーン挿入など、今まで経験が少なかった症例や手技を2ヶ月間で経験・習得することが出来たほか、今まで研鑽を積んできた内科2次救急の分野で自分の力を試すことも出来ました。また、他施設で研修させて頂くことで自分と他の研修医を比較し、自分の何が秀でていて何が足りないのかということを客観的に評価することが出来たのも収穫でした。先述のように、当院の初期研修では外傷診療に当たることが多くありません。また、人工呼吸器や循環作動薬の持続静注など、ICU管理が必要な症例も決して多くはないのが現状です。その点を他施設の研修で補いながら2ヶ月という短期間に凝縮して経験できればと考えて選択したのですが、まさにその期待通りの研修を行うことが出来ました。この救命センターでの研修は私にとって非常に価値のある2ヶ月となり、連携先の指導医の諸先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。当院で経験できない症例を補うためにも救急科実習は選択されることを強く推奨します。ドクターヘリに搭乗する機会もありますよ。

 これは余談なのですが、救命センターでの研修は2年目の後半に選択されることをおすすめします。ある程度簡単な内科初期診療ができ、さらに血管確保や気管挿管などの手技ができるようになってからローテートされると、自分に足りていない所(私でしたら外傷のABCDEアプローチや創処置など)が把握できている分そこを重点的に強化できますし、救急の切迫した場面でも比較的冷静に問題をアセスメントし、上級医の先生と意見交換することでより理解が深まるように感じました。

 以上、総合すると私にとって高砂市民病院での初期臨床研修2年間は、この上なく充実したものでした。特に印象に残っていることとして、他施設で研修した際に指導医の先生から「高砂市民病院から来られる先生は非常に丁寧なアセスメントをされて、カルテを緻密に記述されますね。先生方のカルテを読めば患者様の病態を総合的に捉えることが出来ているのが分かります。」と仰って頂いたことがあります。これは当院の上級医の先生方の指導で「一人の患者様の抱える全ての問題点を出来得る限り理解し解決すること。全ての異常値に理由を見つけること。」を実践するうちに身に付いたものであり、自分たちは何ら特別に思っていないことがご評価頂けた瞬間でした。それと同時に、私は高砂市民病院で研修を積むことで初期臨床研修医として必要な内科的な思考力、総合的に病態を捉える力をある程度身に付けることができたのではないか、と少し嬉しい気持ちになりました。もちろん自分自身努力もしましたが、高砂市民病院のプログラム、指導医の先生方、コメディカルの皆様の暖かい支えがあってこそ成長できたのです。高砂市民病院の研修プログラムを選択して良かったと心から思うことができました。

 これから始まる1ヶ月間の地域医療実習を最後の試金石として、4月からは自信半分、不安半分ではありますが、また新たな環境で内科専攻医としての後期研修を迎えることが出来そうです。非常に長くなってしまいましたが、これが私の初期臨床研修2年間の実際です。ここまでお読み頂いて当院のプログラムに少しでも興味を持って頂けたなら、是非、病院説明会や病院見学に来てくださいね。心からお待ちしています。

高砂市民病院
初期臨床研修医 岡本

  • 初期臨床研修医
  • 後期臨床研修医

研修医募集に関するお問い合わせ

高砂市民病院

〒676-8585
兵庫県高砂市荒井町紙町33番1号
TEL 079-442-3981
FAX 079-442-5472
E-mail : tact5510@city.takasago.lg.jp