管理者兼院長のあいさつ

病院事業管理者 院長 渡部 宜久

高砂市病院事業管理者 兼 院長の渡部宜久です。

神戸大学医学部を卒業後、当時の第2外科に入局し大学病院では消化器外科特に食道がん治療を中心に診療を行っていました。大学病院から高砂市民病院に勤務して、20年以上が経過しています。この間に県立加古川医療センターの移転と救命救急センターの開設、加古川中央市民病院の開院など東播磨地域の医療体制は大きく変化しました。
東播磨医療圏では病院間の機能分担ができており、超急性期医療や高度救急医療に関しては、加古川中央市民病院と加古川医療センターが中心となっています。その中で、高砂市民病院は、地域の急性期と回復期、緩和医療の入院機能を担当し、地域に密着した病院併設の訪問看護ステーション、訪問診療も運営しています。
また、人口約9万人の高砂市の地域包括ケアシステムの中核病院として、高砂医師会、福祉協議会、市内の医療機関、介護施設、訪問看護ステーションなどとの連携に力を入れており、市民の健康を守る地域のかかりつけ病院、面倒見のいい病院としての機能を果たしています。
令和6年に策定された、「高砂市民病院将来構想」では移転・新築の方針が出されました。次期病院は、現在のよりも規模縮小の予定ですが、市民の健康を守る地域のかかりつけ病院、面倒見のいい病院としての機能を持続するため、病院職員の診療レベルの維持・向上と、経営の安定化にむけて努力していきます。

市民の健康を守る持続可能な病院を目指す、院長就任後の当院の取り組みについて

1.高砂医師会・市内介護関連施設との連携

高砂市内の医院と介護関連施設を、地域連携室のスタッフと訪問し、医師会の先生や介護施設の職員の方のご希望を直接伺いました。診察・検査が必要な患者さんへの迅速な対応のため、地域連携室へのホットラインを設置しました。

2.加古川中央市民病院との診療連携
同じ地域の超急性期病院である加古川中央市民病院との機能分担と連携

診療連携
加古川中央市民病院の総合内科・循環器内科の先生による専門外来と放射線科医師による血管内治療を週1回お願いしています。
令和7年度より加古川中央市民病院の内科専攻医の当院での研修が行われます。

放射線科診断の連携
CT、MRI画像はオンラインで加古川中央市民病院と接続しており、放射線科医師により報告書が作成されます。CTとMRIに関しては加古川中央市民病院と同じ精度の検査・診断ができます。当日検査も可能な当院を是非活用してください。

電子カルテ接続による連携
令和6年夏までに加古川中央市民病院と段階的に電子カルテを接続します。
病院間での電子カルテの接続により、超急性期での加古川中央市民病院へ紹介、また急性期の治療が終わり回復期の治療目的で高砂市民病院へ転院する場合に、リアルタイムに診療情報を交換が可能になります。

3.医師・コメディカルのタスクシェア・シフト

当院では、医師とコメディカル、コメディカル間のタスクシェア・シフトだけでなく、急な紹介患者や救急搬送に対応するため、医師間のタスクシェアを進めています。内科系疾患の場合、内科医と外科医が総合診療的に協働して対応し、外科系の救急は、整形外科、外科、形成外科、脳外科が協働して対応する体制としています。

4.人間ドック・けんしん(健診・検診)

市民の健康を守るため、市民病院がますます力をいれる必要があるのが、各種健診とがん検診と人間ドックです。「けんしん」については、市役所の担当部署と連携して推進し、年々利用者数は増加して令和5年度は8000人を超えました。令和6年は、ドックの予約枠を増やし、市民の方の希望が多かった休日の「けんしん」を日曜日に月に1回開始します。

令和6年
高砂市病院事業管理者 院長 渡部 宜久