高砂市民病院オープンカンファレンスのご紹介
2021年3月25日 オープンカンファレンスを開催しました
今回のテーマは「やせ(低栄養)は治療効果や患者様のQOLが低下する!!」でした。
本来であれば近隣の医療施設や医療従事者の方々にも参加していただくのですが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、従来よりも規模を縮小し、院内職員を対象とし、感染対策を行った中での開催となりましたが、幅広い職種の院内職員が参加しました。
【今月の内容】
講演1:
- 「令和2年度NST活動報告」
看護師 小川 理恵 講演2:
- 「やせ(低栄養)は何がおきる?」
言語聴覚士 杉下 周平 講演3:
- 「やせている人(低栄養)への栄養療法」
薬剤師 魚住 有沙美 講演4:
- 「まとめ」
医師 杉浦 智之
【講演1】
昨年7月にスタートした、NST(栄養サポートチーム)ラウンドの活動報告がありました。食事摂取量の低下している患者様や低栄養の患者様に対して食種の検討や付加食の検討などしてくれています。
また、高齢者の低栄養における問題点や栄養管理の重要性などについてお話いただきました。
【講演2】
高齢者が入院中にやせてしまうと、嚥下を行う筋肉が減少し嚥下障害が起こってしまう可能性があるというお話をしていただきました。予防、治療のためにはNSTが早期に介入し栄養管理を行うことが不可欠であると学びました。
【講演3】
入院中によく投与される点滴の栄養量を実際の食材に置き換えてあらわしてくれました。また、食事摂取がすすまない患者様のための栄養補助食品の紹介があり、いろいろな味や形態のものを取りそろえてくださっているそうです。
【講演4】
当院のNSTリーダーに最後にまとめていただき、入院中の朝食に味付粥の献立が導入予定であることが発表されました。
⇒現在すでに導入されております。
最後に渡部管理者の挨拶で、3月のオープンカンファレンスは閉会となりました。
2021年2月25日 オープンカンファレンスを開催しました
今回のテーマは「コロナ禍の避難所設営 と みんなの身近な認知症」でした。
緊急事態宣言が出されている状態でしたが、密を避けるために各部署2名以内とし、幅広い職種から38名の参加がありました。
【今月の内容】
講演1:
- 「新型コロナウィルス感染症対策における避難所設営について」
市職員 田中 善朗 講演2:
- 「認知症 その症候とケアについて」
看護師 田中 沙織 講演3:
- 「カレンダーを実施後仮説を立てた、記憶との関係」
作業療法士 多田 知史
【講演1】
コロナ禍の中で避難所における感染防止のための対策について話がありました。
各避難所への感染対策キットなどの備品の配備、避難者のゾーニングなど色々な感染対策を盛り込んだマニュアル整備の説明があり、コロナにより複雑化した対策の中で実際の訓練の様子などの話もありました。
今後の課題などいつ災害が起こるか分からない今、大変参考になりました。
【講演2】
認知症の看護ケアについて認定看護師より実際の事例を紹介してもらいました。
認知症とは一度正常に発達した認知機能が、後天的な脳の障害により持続的に低下し、日常生活に支障をきたすようになった状態をいいます。
家族で共有し、身体機能や精神状態の変化を早期に発見することが重要で、さらに手帳やカレンダーを用いることで症状の改善や、患者様家族のケアにつながることがよく分かりました。
【講演3】
記憶の分類や仕組みについて、わかりやすい例を使って説明をしてもらいました。
アルツハイマー型認知症をはじめとする認知症の方は「どこ」で「何を」しているかがわからない方が多いですが、そこでカレンダーを使うことで(いつ、だれが、どこに、何を)を介助し、不安や混乱を軽減し、今の状況を把握することで安心につながることが分かり勉強になりました。
最後に院長の挨拶で、2月のオープンカンファレンスは閉会となりました。
2021年1月28日 高砂オープンカンファレンスを開催しました
今回のテーマは「きっと役に立つ!化学療法についてのあれこれ!」です。
緊急事態宣言が出されている状態でしたが、密を避けるために各部署2名以内とし31名の参加がありました。
3人に1人はがんになると言われており、治療も選択肢の幅が広がり、がんとうまくつきあっていくための方法について相談できる医療者がいるということは心強いと思いました。
【今月の内容】
講演1:
- 「化学療法室における看護師の役割とポートについて」
看護師 小林 洋子 講演2:
- 「がん治療と疼痛緩和薬」
薬局長 石見 淳子 講演3:
- 「抗癌剤治療著効症例の紹介」
外科部長 的場 保巳
【講演1】
化学療法室における看護師の役割とは、患者さんが癌とうまくつきあっていく為の方法について相談できる存在であること。
患者さん自身が治療に参加しているという意識を持ってもらうよう働きかけることが大切であると学びました。抗癌剤によって特徴的な副作用があるのでそれぞれに対応していることも分かりました。
【講演2】
がん治療やがんに伴う疼痛に対しての緩和薬に関して進化している事が分かりました。
がん治療においては「免疫チェックポイント阻害剤」では副作用が多種多様に出ることや、1年後に副作用が出る場合があるという話を聞くことが出来ました。
【講演3】
抗癌剤の使用により再発が起こっていない稀な症例について話を聞くことが出来ました。
2020年10月22日 オープンカンファレンスを開催しました
今回のテーマは「創傷管理」です。
本来であれば近隣の医療施設や医療従事者の方々にも参加していただくのですが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、従来よりも規模を縮小し、院内職員を対象とし、感染対策を行った中での開催となりましたが、幅広い職種の院内職員が参加しました。
【今月の内容】
講演1:
- 「特定行為研修報告 ~特定看護師の第1歩~」
看護局 中瀬 睦子 講演2:
- 「創傷に用いる外用薬のあれこれ!」
薬剤科 薬剤師 尾野 由佳子 講演3:
- 「見えない菌による皮下膿瘍を発見!」
中央検査科 臨床検査技師 伊藤 拓哉 講演4:
- 「創傷治療 ~植皮術の経過~」
形成外科 医師 最上 裕之
【講演1】
「特定行為」とは、医師の作成した手順書を元に、その場で患者の病状や様子を見て判断し、看護師が特定行為を実施することです。複雑化する医療の現場において、特定行為を行える看護師が居ることでチーム医療の円滑化につながり、連携が強化されて最善の医療の提供ができます。今回は特定行為研修の内容と経過の報告を発表しました。
【講演2】
創傷の種類によって使用する薬剤が違ってきます。今回は創傷の状態によって外用薬をどのように使い分けるかを詳細に紹介しました。外用薬の使用方法や使用量なども細かく説明され、非常に勉強になりました。
【講演3】
皮下膿瘍があるにもかかわらず、グラム染色で菌が検出されない場合は抗酸菌による感染の疑いがあるため、チール・ネルゼン染色という方法を用いて抗酸菌を検出するやり方があります。今回は検査室でどのようにチール・ニルゼン染色まで行うかの流れを紹介しました。
【講演4】
植皮術による創傷治療の経過を、実際にあった症例を元に紹介しました。 大きな怪我をされた患者の創が、植皮術によって元通りになっていく経過を拝見し、医師による大きな努力が垣間見えました。
最後に院長の挨拶で、10月のオープンカンファレンスは閉会となりました。
2020年9月24日(木) 院内発表会を開催しました
この院内発表会は、様々な職種の院内職員が、それぞれ担う業務や取り組みについて講演するもので、そこで他の職種のことを知り、情報交換や連携を深めることなどを目的に開催してきました。今回は先月に引き続き新型コロナウイルス感染拡大を受け、従来よりも規模を縮小し、感染対策を行ったなかでの開催となりましたが、幅広い職種の院内職員が参加しました。
【今月の内容】
講演1:
- 「活性型ビタミンD3製剤投与中の血清カルシウム値の評価率と高カルシウム血症の発生率」
薬剤科 薬剤師 白木 幸子 講演2:
- 「透析患者のTを探そう」
臨床工学室 臨床工学士 塩井 隆也 講演3:
- 「訪問看護ステーション開設1年のあゆみ」
訪問看護ステーション 所長 小野 智子 講演4:
- 「病棟ディサービスの奇跡×軌跡」
4階東病棟 看護師 原 はる
【講演1】
骨粗鬆症治療のため活性型ビタミンD3が処方されている高齢者のなかには、長期間、血清カルシウム値や腎機能の確認がされないままになっている症例もあるため、実際の評価率や高カルシウム血症の発症率について確認を行い検査していく必要性について、発表がありました。
【講演2】
透析患者さまの中には、食事が摂取しづらくなった等の理由で、低栄養になりやすいことがあるため栄養スクリーニングを行い、低栄養を改善していく取組みについて、発表がありました。
【講演3】
高砂市民病訪問看護ステーション(病院併設型)が令和元年6月3日開設されてからの1年のあゆみについて、発表がありました。今回はその詳細について紹介しました。
【講演4】
急性期治療が終了し、在宅・施設への退院調整の必要な患者さまが、安全・安楽に療養生活に移行するための環境づくりとして試みた、病棟デイサービスの実施ついて、発表がありました。
後に、副院長の渡部宜久先生のあいさつで、9月の院内発表会は閉会となりました。
2020年8月27日(木)院内発表会を開催しました
この院内発表会は、様々な職種の院内職員が、それぞれ担う業務や取り組みについて講演するもので、そこで他の職種のことを知り、情報交換や連携を深めることなどを目的に開催してきました。今回は新型コロナウイルス感染拡大を受け、従来よりも規模を縮小し、感染対策を行った中での開催となりましたが、幅広い職種の院内職員が参加しました。
【今月の内容】
講演1:
- 「緩♡ONE TEAM」
緩和ケア内科 看護師 上床 里美 講演2:
- 「造影検査の対応と対策」
中央放射線室 放射線技師 谷 洋平 講演3:
- 「中央検査科の検体検査における精度管理の取り組み」
中央検査科 検査技師 片山 寿貴 講演4:
- 「物忘れ外来で行っている認知機能検査の実際」
リハビリテーション室 作業療法士 多田 知史
【講演1】
緩和ケアは、主にガン患者さまの痛みや不安などの苦痛を和らげるために行われる治療やケアのことをいいます。
当院緩和ケア内科はONE TEAMの言葉のとおり、院内の多くの職種と連携し、患者さまにとって一番いい医療を提供することで、患者さまが最期まで自分らしく生きるためのサポートをしています。
本講演ではその一環として、医療用麻薬やリハビリに関して薬剤科やリハビリ科と連携していることを紹介しました。
【講演2】
中央放射線室では、体制の変化にともない、各検査の運用方法が変わりました。患者さまが安心して検査を受けられるような仕組みになっています。
今回は造影検査に注目して、主に造影剤による副作用の対策や緊急時の対応方法について体制を整備したことを紹介しました。
患者さまの安全のため、今後も検査のための確認(アレルギーなど)を注意深く行いますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。
【講演3】
検体検査とは、血液や尿など、患者さまの体から採取したものに行う検査のことです。
そしてその検査が安定して、正しい検査結果を出すためのチェック業務を、精度管理と呼んでいます。
中央検査科では、血液検査やPCR検査など、多種多様な検査機器に対して精度管理を行っています。
また、日本臨床衛生検査技師会などの外部機関による調査でもその精度は認められています。
今回はその詳細について紹介しました。
【講演4】
当院には「物忘れ外来」があり、物忘れや認知症のことで相談にこられた患者さんに対して、医師による診察や脳の画像検査、そして認知機能検査を行っています。
認知機能検査は、いくつかのテストで客観的にチェックしたり、患者さまやご家族から日々の生活状況の聞きとりをしたりして、作業療法的な観点も交えて報告書をまとめています。
今回はその詳細な流れについて紹介しました。
最後に院長の挨拶で、8月の院内発表会は閉会となりました。