麻酔科

麻酔科からのメッセージ

  • 手術を安全に受けて頂く
  • 様々な方法を用いて術後の痛みを緩和する
  • 患者さまに応じた麻酔、術後の痛みの緩和の方法を手術に先立ちご説明させていただく

スタッフ紹介

氏名
肩書
専門分野
専門医・指導医
築地 崇
部長
麻酔
日本麻酔科学会 指導医・専門医 麻酔科標榜医
第11回日本赤十字社臨床研修指導医養成講習会

麻酔科 週間外来診療予定表


1診
午前
-
築地
-
築地
-

※1診は術前診療

診療内容

診療内容

高砂市民病院では、常勤麻酔科医1名と非常勤麻酔科医で手術室での麻酔をおこなっています。

手術と麻酔

手術の際には人間の身体にメスをいれ、悪いところを治します。そのままメスをいれることは大変な痛み、苦痛を伴うため麻酔が必要となります。全身麻酔とは意識をなくすことで、痛みを感じないようにする麻酔をいいます。全身麻酔中は患者さまがご自身で呼吸をすることが難しくなりますので人工呼吸をおこなっています。人工呼吸といえば、重症患者さまに対してのみおこなわれていると思われるかもしれませんが、全身麻酔中人工呼吸をすることはごく当たり前のことです。術後の痛みを緩和する方法としては、薬物による方法、胸腹部、下肢の手術後は硬膜外鎮痛法があります。術後は様々な方法を組み合わせて痛みを緩和致します。

麻酔科医って?

麻酔科医の仕事は手術をできるだけ快適に受けることができるように患者さまの心身両面から苦痛を取り除くと同時に万が一の事故を未然に防ぐためにしっかりとお守りすることです。そのため手術に先立ち、患者さまに全身麻酔に関する十分な説明をさせていただきます。手術後は可能なかぎり患者さまの元へお伺いいたします。手術の際の麻酔の方法や手術後の痛みを取り除く手段に関しましては患者さまのご希望をお伺いするよう心がけて参ります。わからないこと、お尋ねになりたいことがおありでしたら、遠慮なくお聞きください。

麻酔科の特色

日本麻酔科学会認定施設である。常勤麻酔科医1名と非常勤麻酔科医ともに全身麻酔、高齢者・合併症を有する方のくも膜下脊髄麻酔(腰椎麻酔)や上肢、下肢の伝達麻酔を担当している。

麻酔科管理症例数の推移

年度 2012 2013 2014 2015 2016
全身麻酔(+α) 624 505 641 610 611
くも膜下脊髄麻酔(+α) 89 103 118 105 110
その他 64 46 46 41 30
総数 777 654 805 756 751

手術を受ける方の最も気になることは手術後の痛み(術後痛)である。当院ではほとんどの症例に対して麻酔科医がそれぞれの痛みの程度に応じた鎮痛処置をおこなっている。

手術後の痛みを緩和する方法
 
手術の種類
術後鎮痛法(消炎鎮痛剤 可能なら併用)
外科
胸部手術
末梢神経ブロックまたは硬膜外麻酔
腹部手術(開腹)
持続硬膜外麻酔
腹部の内視鏡手術
胆嚢摘出手術
末梢神経ブロック
虫垂切除術
末梢神経ブロック
泌尿器科
腎臓摘出術
持続硬膜外麻酔
整形外科
人工股関節置換術
持続硬膜外麻酔
人工膝関節置換術
持続末梢神経ブロック
整形外科・形成外科
上肢手術
末梢神経ブロック(持続)
下肢手術
末梢神経ブロック(持続)
耳鼻科手術
鏡視下副鼻腔炎手術
自己調節鎮痛法
扁桃腺摘出術
自己調節鎮痛法

鎮痛の方法として「術後できるだけ早くから動けること」を目標に、硬膜外麻酔、エコーガイド下末梢神経ブロック、自己調節鎮痛法(PCA)により麻薬を用いた鎮痛に消炎鎮痛薬などを組み合わせて行っている。全身麻酔症例全体の約3分の1において、エコーガイド下末梢神経ブロックによる麻酔または硬膜外麻酔を併用し、術後の痛みを緩和している。特に超音波装置(エコー)を用いた末梢神経ブロックにはいち早く取り組み、外科の内視鏡手術、整形外科・形成外科手術時の麻酔、術後鎮痛にはカテーテルを留置した持続法を併用する場合もある。

周術期管理チーム

当院の特色のひとつとして、65才以上の高齢の方が麻酔科管理症例数の約50%に及ぶことがあげられる。高齢の方、合併症のある方が手術を受けられる場合、手術後に手術前と同じ生活が送れることを(QOLを保つ)明確に認識した取り組みが必要である。 手術前から手術後の合併症をできるだけさけるためにおこなうことに関して手術を受ける方ご自身に理解していただき施療スタッフとともに努力していただくことが望ましい。 例えば、喫煙習慣のある方は手術の決まったその日から禁煙していただくこと。 入院前に口腔ケア(動揺歯の治療 プラークコントロール)を歯科医によりおこなっていただくこと。

これらの取り組みは医師、看護師のみならず、理学療法士、薬剤師など多職種でチームとしておこなうことで診療の質の向上、効率性、を目指すものである。すでに院内で活躍している感染対策チームやNST(栄養支援チーム)と同様に多職種でチームとして活動できることを目標に現在手術室看護師・麻酔科医を中心として活動を開始している。